吃音(きつおん),どもりとは?
吃音(きつおん)・どもりとはどういうことでしょうか?
一般的には、表面上の言葉がうまく話せないという症状を思い浮かんでくると思います。
しかし、それだけでなく、そこから派生する心理面や対人関係なども大きな問題といえます。
吃音とは?
吃音(きつおん)とは一般的には「どもり」と言われている‘コミュニケーション障害’です。言葉が流暢に出ず、喋りにくさを特徴とします。言いたい言葉が頭で分かっていてもなかなか出てきません。
難発性(・・・・・・・ありがとう)、連発性(あ、あ、あ、ありがとう)、伸発性(スーーーありがとう)といった発声の困難があります。なんとか発声しようと顔をしかめたり、足踏みをしたり、体を動かしたりといった“随伴症状”を伴うこともあります。
また、言いにくい言葉を避けて遠回しな表現をしたり、特定の話しをしなければならない場面から回避しようとしたりします。
このようなために生活上に様々な困難をきたし悩みます。
原因は様々な説がありますが、いまだ不明です。
よって、その有効な“治療方法”もいまだ確立していません。。
吃音の経過
吃音の好発年齢は2~4歳で、男女比3~10対1と男性に多く、発生率は国や人種を問わず人口の約1%と言われています。
発症が幼児期であれば本人は自覚していないので、本人にとってはあまり問題となりません。自然に治る場合が多いです。しかし親や周囲の者が子供の吃症状を必要以上に指摘すると本人が症状を“自覚”し、“恥”の意識を持ち始めると慢性化の道をたどり始めます。
そして、学童期になり授業等で発言を多く求められるようになり、思春期を迎えると悩みは深刻となります。人間関係や学業に支障を生ずることも少なくなく、劣等感を抱いて悩みます。恥ずかしくてなかなか他の人に相談できません。
さらに、就職を迎え社会的責任をこれまで以上に必要とするに当たっては、悩みは一層深刻となります。仕事に就いてからも電話や報告などで困難な場面が多くなり悩みます。
吃音に対する対応
幼児期に発声の困難(吃症状)が出た場合は、基本的に親はそれを叱ったり早く話すようにせかしたりせず、ゆっくり子供の話を聞いてあげる優しい態度が必要です。 自然と治る事も少なくありません。
しかし、子供が吃音を自覚し困っていると思える場合は、「ことばの教室」など相談窓口があるので、親子で専門家に相談に行くのが良いでしょう。
しかし、中学卒業以降は専門の相談場所は数える程しかありません。民間の吃音矯正所に通う人もいますが、効果の程は定かではないようです。
言語聴覚士(ST)も吃音を扱っていますが、現状では他の言語障害の対応が主で、吃音を専門に扱っている言語聴覚士は少ないです。吃音専門の言語聴覚士の養成を喚起していくことが今後の課題と言えます。